SCA が示したやり方 ― 取り付け時間とコストの節約

スウェーデンのストックホルムを本拠地とするSCA社(Svenska Cellulosa Aktiebolaget)は、ドイツのマンハイム市にて自社最大の総合プラントを稼働させています。メッツォの技術によって、SCA社はシステム稼働率を向上させるとともに、設置に要する時間と費用の節約に成功しました。

SCA社マンハイム工場では、社内、および顧客向けに年間約610トンのパルプを連続・バッチ蒸解技術で生産しています。大量生産のためには、細部まで安全、かつ信頼性の高いシステムが必要となります。具体的には、スイッチ入/切が頻繁なバルブ用のNeles SwitchGuard(スイッチ安全装置)や、メッツォのDNAプロセスオートメーションシステムがそれです。

「マーケットにはほかに太刀打ちできるものはありません」。メッツォの最先端技術Neles SwitchGuardについてUlrich Volz 氏はこう言っています。Volz氏はマンハイムSCAプラントのパルプエネルギー部門における計装制御設備責任者です。Volz氏は数十年にわたり、自社システムやその潜在的な弱点に精通してきており、したがって、メッツォのバルブ制御技術についても30年近く信頼を置いてきました。

Neles SwitchGuardは他には見られないものです。「この解決策がなかったら、いまだにたくさんの手間暇をかけて、ソレノイドバルブやリミットスイッチ、スロットル、ブースタといったさまざまなコンポーネントを選び、取り付け、相互接続するという作業をやり続けていなければならなかったでしょう」とVolz氏は説明しています。

SCA社はマンハイムで2つのパルプ生産ラインを稼働しています。年間に610トンのパルプが生産され、プラントで使用されています。SCA社はそれを原料に、400万箱のティッシュペーパーと130万ロールのキッチンペーパー、および240万ロールのトイレットペーパーを毎日生産しています。この生産量をみれば、システムの操業停止がきっちりと予定された間隔でのみ許容されるというのも当然です。必要な保守整備作業をできる限り迅速に実施しなければならないことは言うまでもありません。

60種の高性能オン/オフバルブコントローラがプラントで時間を節約

「3年前にNeles SwitchGuard へと切り替えたのは、プラントプロセスの大幅な簡略化を重要視したからでした」とVolz氏は説明しました。「ほかには、従来と同じように装置を複雑に並べるという案しかなかったでしょう。このバルブコントローラの一番良いところは、非常にコンパクトだという点で、取り付け工事で時間をかなり節約できることは確実です。当社では約60種類の高性能なオン/オフバルブコントローラを使用していますが、そのうち16個は連続蒸解装置のためのものです。オン/オフの適用は、メッツォのDNAプロセスオートメーションシステムからの4–20 mA信号により制御されています。位置は内蔵のリミットスイッチか、4–20 mA信号を介して伝達されます。メッツォが我々のプラントのメインサプライヤに名を連ねるのは、長年にわたる素晴らしい成果があるからです」とVolz氏は語っています。「だから�々はメッツォのRA・REシリーズのバルブや、プラント全体を制御するプロセスオートメーションシステムも採用しているのです」

パルプ生産ラインでは取り付けにかかる時間は重要なファクターです。半年に一度、システムは計画的に操業を停止します。蒸解プロセスで、木材はその主要成分へと分解されます。このプロセス中、蒸解装置の中で木材からリグニンとヘミセルロースを抽出し、製紙の主要原料となるセルロースが生産されます。トラブルなく稼働させるため、SCA社では連続蒸解装置に付いている16個のバルブのうち8個を定期的な操業停止中に交換することにしています。蒸解装置から出る廃棄薬液は、その特性からバルブの内部摩耗を引き起こします。「そこで我々は定期的にバルブを交換し、古いものを調整し直し、次の操業停止までスペアパーツとして保管しているのです。だから、取り付け時間という要素は我々にとって重要なんですよ、たとえ既にあるシステムでも」とVolz氏は力説しています。保守作業時間を1分1秒でも短縮できればと願っているからです。「Neles SwitchGuardを使うと、電源と吸気さえ遮断しておけば、バルブを簡単かつ素早く交換できます。昔は作業に2、3時間もかかったんです」

連続蒸解装置には16個の高性能Neles SwitchGuardオン/オフ制御バルブが装備されており、メッツォのRAREシリーズバルブを制御、監視、診断しています。

超高速スイッチ切り替え、数百万回以上テスト済み

Neles SwitchGuardは、プラグインソリューションに加え、大容量でスイッチング性能も優れています。連続蒸解装置では、抽出ゾーンのスクリーン装置に目詰まりが発生しやすいのですが、蒸解装置バルブのスイッチ切り替えによりこの問題を解決し、スクリーンが常にきれいな状態に保たれます。その原理はバルブが超高速で開くということです。これには大容量であるだけでなく、オン/オフバルブコントローラのスイッチング特性が特に優れている必要があります。

Ulrich Volz氏は指摘しています。「調整式開閉時間プロファイルを有効利用しています。そうすると、必要に応じたバルブスイッチング時間に正確に合わせることができ、同時に、配管内の圧力負荷を最小限に抑えるという利点を得られます。バルブは1、2秒で開きますが、閉じるときは必要に応じてゆっくりと、5秒以内に閉じます」。このスイッチング特性は、数百万回行っても安定していなければなりません。Neles SwitchGuardスイッチはそれぞれ、1.5分ごとに1日24時間スイッチを切り替えています。

先を見越した監視、診断、計画

 3年前にNeles SwitchGuard へと切り替えたのは、プラントプロセスの大幅な簡略化を重要視したからでした」(Ulrich Volz氏談)

 Neles SwitchGuard は作動中に自動オン/オフバルブの性能をオンライン分析し、診断データを将来的なニーズに対応できるよう保存しています。これにより、バルブの状態が常時監視され、潜在的な問題をいち早く特定できます。予防的な保守のための診断データ評価は、プロセスの高稼働率とバルブの高い信頼性を保証します。総合パルプ生産ラインに使用されるバルブにとっては、この点がきわめて重要です。連続パルプ生産プロセスはSCA社マンハイムプラントのティッシュ生産の基盤です。

問題は山積しているものの、Ulrich Volz氏は落ち着き払っています。「インテリジェントコントローラやバルブに問題が発生したとしても、コントロールルームの作業員はすぐに警告を受け、エラーメッセージを受けとります。だから、迅速に対応でき、操業停止を回避できる可能性も残っています」。すべてのNeles SwitchGuardコントローラは、メッツォのDNAプロセスオートメーションシステムに組み込まれています。これはオープンプラットフォームのシステムで、現場からプラント管理部署まで、社内全域をつなげています。

 環境保全と持続可能性をリード

SCASvenska Cellulosa Aktiebolaget)社は消費財および紙製品を取り扱う国際的な上場企業です。同社は、持続可能性の原則をひとつひとつの事業で考慮しつつ、衛生用品、包装ソリューション、印刷用紙、木質系材料の開発や生産、販売を行っています。SCA社は全世界で約43,000人を雇用し、TempoZewa、さらに世界的なブランドTENATorkなどの自社製品を100か国以上で販売しています。2011年の年間売上は117億ユーロに達しました。

本文は、「Industrie Armaturen」誌2012年2月号掲載記事の英語抄訳である。同記事は2012年2月号「Results automation」誌、および2012年2月号「Results valves」誌にも掲載。